ヤギがでた

そんなことを思い出した。


○学生時代、新聞を作るサークルにいたのだが、原稿や資料など紙媒体が多いということもあってか、それらが行方不明になると、誰となく決まって「ヤギがでた」ということになった。


○このヤギ、主食はやはり紙、しかも雑食で、重要な原稿からゲームのカードまでえり好みせず幅広く食べた。ヤギが出るたびに、時にはしまっていたものすら引っ張り出して探すこともあったのだが、今考えるとヤギは、整理整頓されていても、しっかり中身を把握できていないと結局同じこと、という教訓を教えるために出てきたのではないだろうか。


○いきなりなぜこんな事を言い出したかと言うと、別に今日久しぶりに大学近くに寄って周辺を散策したからではなく、今週ずっと課内がほぼ総出で、たった一枚の書類を捜すために過去の書類全てを引っ張り出している、という事態に陥っているからであって、つまるところ、課長やS木さんが相手をしているのはやはりヤギであり、そして食べられた書類はよほどの気まぐれがないと出てこないのではないか、ということと、報告の際、電話口で一言「ヤギが出ました」といえば、多分相手の課の人もわかってくれるのではないかということだったりするのだがどうだろうか。

見える質量


○今日スクールで遭遇したこと。


○帰る際、エレベーターに乗ろうとすると、その四隅に陣取る不機嫌な男3人が。


○一人は操作パネル付近に虚ろな目で佇み、次の一人は左手奥に不機嫌な顔を崩さず構え、最後の一人は右手奥に他の二人から顔をそらすようにして暗い表情を壁と足元に投げかけ、それがまたエレベーターの薄暗い照明と相まって見えてしまうくらいの重さをかもし出していた。


○出来ればそんなものには乗らずにやり過ごして階段で帰りたかったが、他ならぬ自分がエレベーターを呼んだ以上そういうわけにもいかず、残った右手前の隅で、恐らく他の3人と似たような表情で重く長く1階まで降りていった。


○多分他の人が見たら、ただのコントなのかもしれないが、遭遇している本人はとても必死というお話。というか、いい加減日常のあちこちにオチがつくのをなんとかしたいのですが。


これはひどい。